慶應義塾大学の帰国生入試を受験する際、SATを提出するか迷われると思います。
(アメリカやカナダ以外の帰国生にSATの提出義務はない)
そんなSAT提出の議論を、私の受験経験を踏まえてお話しします。
「任意なら、提出するべき」という意見が多く見られますが、私の受験経験上、「慶應義塾大学、帰国生入試において、SATの提出はしなくてよい」と感じています。では、その理由を見ていきます。
SAT提出は任意
Q、 SATの結果を提出する必要はありますか?
回答 アメリカ合衆国の教育制度による出願者のみOfficial Scoreの提出が必要です。試験実施機関(CB)から慶應義塾大学に直接送付する手続を取ってください。その他の国の統一試験結果を提出する場合には、SATの結果は必要ありません。
※Official Scoreについては、有効期間など、いくつかの注意事項があります。毎年、不備が多く見受けられる項目ですので、募集要項をよく読み、不備のないように準備してください。なお、Official Scoreの到着状況に関する問い合わせには応じられません。
上記の通り、アメリカからの帰国生以外にSATの提出義務はありません。しかし、提出すること自体は受験生皆が可能です。
(2020年からは入試制度が変わり、カナダからの帰国生にもSATが義務付けられるそうです)
SATがどれだけ合否の判断に影響するかを、大学側は明かしていません。
慶應大学の帰国生入試にSATが必要でない理由
結論から言います。「必要ありません」。
SATは足切りに使用される?
「SATは提出するべき」と主張する人の多くは、「SATは書類選考の段階での足切りに使用されている」と主張します。
では、SATを提出しなかった私の受験結果を見てみます。足切りされるタイミングは、一次審査の書類審査ですが、私は、下記の出願した全ての学部において一次審査通過しています。
- 総合政策学部
- 商学部
- 経済学部
- 文学部
*この時点での私のTOEFLのスコアは104点、GPAは3.86でした。
果たして、本当にSATは足切りに使用されているのでしょうか。
大学入学後に知り合った帰国子女の友達に調査したところ、ほとんどの生徒がSATを提出しなかったそうです。
- 「SATを受けたことがあるが、良い点数を取れなかったので、TOEFLと学校の成績をあげることに専念した」という人がほとんどでした。
- また、提出が義務付けられていたアメリカからの帰国生は、SATをあげるのに相当苦労したとも言っていました。
慶應義塾大学帰国生入試 SATの最低点
慶應にSATを提出するには、そうとう高い点数が必要となります。
学部によって異なりますが、だいたい、1350〜1500点くらい(新SAT)が目安です。
SATで1350点を超えるのは、数学と英語が相当得意な人でない限り、そかなりハードルが高いと言えます。
SATの勉強は時間がかかります。SATのみに集中して勉強の時間を割かなけらば、高い点数は取れないでしょう。にも関わらず、SATの提出義務がある大学は少ないのです。
評価基準となるのかすらわからないSATに時間をかけるなら、TOEFlや学校の成績などに集中する方がよっぽど賢い選択であると考えます。
TOEFL, 学校の成績の方が重要
日本の多くの難関大と言われる大学では、SATよりもTOEFLと高校の成績を重視しています。
TOEFL(IELTSなども)と高校の成績の提出は義務であり、それらを基準に書類審査を行います。
SATが重要な判断基準であるなら、「任意で提出」ではなく「提出は義務」とするでしょう。そもそも、SATの提出を義務化していない時点で、提出した受験生と、していない受験生との比べようがありませんよね。
ならば、他の試験、TOEFLやTOEIC、IELTSのような、明らかに合否に直結する試験を勉強した方がよいでしょう。
SATを勉強するために時間が割かれ、学校の成績(GPA)が落ちてしまった。なんてことになりかねませんしね。
SATを提出するべきひと
慶應義塾大学、帰国生入試においてSATを提出すべきひとは、
- アメリカ、カナダからの帰国生
- すでにSATで高得点を持っている
- 数学と英語が得意で、勉強時間を割かなくてもSATで高得点を狙える人
くらいでしょう。
この記事が、SATを提出するか迷っている方に、少しでも助けになると幸いです。